ECRライフサイクルポリシーで古くなったイメージを自動的に削除する
ECRにプッシュされるイメージに対して、ライフサイクルポリシーを設定することができます。
本ページでは、ライフサイクルポリシーを設定し、自動的に古いイメージを削除することを目指します。
構築する環境
ECRを作成します。
ライフサイクルポリシーを設定し、タグのないイメージが2つ以上ある場合、1つになるようにイメージを削除します。
CloudFormationテンプレートファイル
上記の構成をCloudFormationで構築します。
以下のURLにCloudFormationテンプレートを配置しています。
https://github.com/awstut-an-r/awstut-fa/tree/main/077
テンプレートファイルのポイント解説
ECR
Resources:
ECRRepository:
Type: AWS::ECR::Repository
Properties:
LifecyclePolicy:
LifecyclePolicyText: |
{
"rules": [
{
"rulePriority": 1,
"description": "Keep only one untagged image, expire all others",
"selection": {
"tagStatus": "untagged",
"countType": "imageCountMoreThan",
"countNumber": 1
},
"action": {
"type": "expire"
}
}
]
}
RegistryId: !Ref AWS::AccountId
RepositoryName: !Ref Prefix
Code language: YAML (yaml)
LifecyclePolicyプロパティがポイントです。
このプロパティ内のLifecyclePolicyTextプロパティでライフサイクルポリシーを定義します。
ライフサイクルポリシーの記法は、AWS公式ページに詳しいです。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonECR/latest/userguide/lifecycle_policy_examples.html
今回はイメージ数によってイメージを期限切れ・削除します。
具体的には、タグのついていないイメージ数が1より大きい場合、古いイメージを期限切れにして削除するライフサイクルポリシーです。
環境構築
CloudFormationを使用して、本環境を構築し、実際の挙動を確認します。
CloudFormationスタックを作成し、スタック内のリソースを確認する
CloudFormationスタックを作成します。
スタックの作成および各スタックの確認方法については、以下のページをご確認ください。
各スタックのリソースを確認した結果、今回作成された主要リソースの情報は以下の通りです。
- ECR:fa-077
作成されたリソースをAWS Management Consoleから確認します。
ECRを確認します。
正常にECRが作成されています。
続いてECRのライフサイクルポリシーを確認します。
タグがついていないイメージの数が1よりも大きい場合は、古いイメージを期限切れにするポリシーです。
現時点では、ECRにイメージがプッシュされていないため、ライフサイクルポリシーが実行されてはいません。
動作確認
イメージプッシュ1回目
準備が整いましたので、ECRにイメージをプッシュします。
$ aws ecr get-login-password --region ap-northeast-1 | docker login --username AWS --password-stdin [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com
...
Login Succeeded
$ docker build -t fa-077 .
...
Successfully built ef0e8aec8ddc
Successfully tagged fa-077:latest
$ docker tag fa-077:latest [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
$ docker push [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
The push refers to repository [[account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077]
209cb42bdfb7: Pushed
latest: digest: sha256:c9ce7208912b7897c9a4cb273f20bbfd54fd745d1dd64f5e625fff6778469e69 size: 529
Code language: Bash (bash)
イメージのビルド・プッシュが正常に実行できました。
ECRを確認します。
確かにイメージがプッシュされています。
ライフサイクルポリシーの実行履歴を確認します。
確かにライフサイクルポリシーが実行されました。
ただし条件を満たすイメージがないため、何も発生しませんでした。
イメージプッシュ2回目
同様の作業をもう一度繰り返します。
$ docker build -t fa-077 .
...
Successfully built a4c9f809ffa5
Successfully tagged fa-077:latest
$ docker tag fa-077:latest [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
$ docker push [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
The push refers to repository [[account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077]
209cb42bdfb7: Layer already exists
latest: digest: sha256:9bbe64cb64212516c9adf5a9961a270388b6b2065b87cc878b38c1d7c77a510f size: 529
Code language: Bash (bash)
再びイメージのビルド・プッシュが正常に実行できました。
ECRを確認します。
確かにイメージがプッシュされています。
新たにプッシュされたイメージに「latest」タグが設定され、1回目にプッシュされたイメージのタグ情報は「<untagged>」に変化しました。
ライフサイクルポリシーを確認します。
こちらは変化がありません。
タグのないイメージができましたが、まだ1つだけです。
ですからライフサイクルポリシー実行の条件を満たしているわけではありません。
イメージプッシュ3回目
同様の作業を今一度繰り返します。
$ docker build -t fa-077 .
...
Successfully built efafe9ee6cc5
Successfully tagged fa-077:latest
$ docker tag fa-077:latest [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
$ docker push [account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077:latest
The push refers to repository [[account-id].dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/fa-077]
209cb42bdfb7: Layer already exists
latest: digest: sha256:4adf0089f316607778fd6a5e073205b767bd849ac8a2234921fddc4351139b96 size: 529
三たびイメージのビルド・プッシュが正常に実行できました。
ECRを確認します。
確かにイメージがプッシュされています。
新たにプッシュされたイメージに「latest」タグが設定され、1回目・2回目にプッシュされたイメージのタグ情報は「<untagged>」に変化しました。
これでライフサイクルポリシーが動作する条件を満たすことになります。
しばらく待機した後にライフサイクルポリシーを確認します。
ライフサイクルポリシーに実行履歴が追加されました。
条件を満たす1つのイメージが削除された旨のメッセージです。
改めてECRを確認します。
2つのイメージが確認できます。
2つあったタグのないイメージが1つになっています。
このことからライフサイクルポリシーが正常に動作して、自動的に条件を満たす古いイメージを削除できたことがわかりました。
まとめ
ライフサイクルポリシーを設定し、自動的に古いイメージを削除する方法を確認しました。