Route53にCloudFront + S3構成を登録して、独自ドメインでアクセスする

目次

Route53にCloudFront + S3構成を登録して、独自ドメインでアクセスする

以下のページで、OACを使用して、CloudFront経由でS3コンテンツを配信する方法を取り上げました。

あわせて読みたい
OACを使用してCloudFront経由でS3コンテンツを配信する 【CloudFrontからS3コンテンツを配信する際に、OACでオリジンへのアクセスを制限する】 以下のページで、S3バケットのコンテンツをCloudFrontから配信する際に、OAIを使...

本ページはこの続きということで、この構成をRoute53に登録し、独自ドメインでアクセスできるようにします。

構築する環境

Diagram of registering CloudFront + S3 with Route53 and accessing with your own domain.

基本的には、先述のページと同様です。

変更点は2点です。

1点目はRoute53です。
Route53にCloudFrontを登録し、独自ドメインでアクセスできるようにします。
今回はRoute53で取得した「awstut.net」を使用します。

2点目はACMです。
独自ドメインでアクセスする際の通信をSSL化します。

CloudFormationテンプレートファイル

上記の構成をCloudFormationで構築します。
以下のURLにCloudFormationテンプレートを配置しています。

https://github.com/awstut-an-r/awstut-fa/tree/main/134

テンプレートファイルのポイント解説

本構成はCloudFormation StackSetsを使用して構築します。

StackSetsに関する詳細は、以下のページをご確認ください。

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CloudFormation StackSets入門 – 自アカウントの複数リージョンにデプロイ 【CloudFormation StackSets入門 - 自アカウントの複数リージョンにデプロイ】 本ページでは、AWS StackSetsを取り上げます。 AWS CloudFormation StackSets は、複数の...

Route53

Resources:
  DnsRecord:
    Type: AWS::Route53::RecordSet
    Properties:
      HostedZoneId: !Ref HostedZoneId
      Name: !Ref DomainName
      Type: A
      AliasTarget:
        DNSName: !Ref DistributionDomainName
        HostedZoneId: !Ref DistributionHostedZoneId
Code language: YAML (yaml)

Route53に独自ドメインとCloudFrontに関するレコードを設定します。

詳細につきましては、以下のページをご確認ください。

あわせて読みたい
Route 53にALBを登録して、独自ドメインでアクセスする 【Route 53にALBを登録する構成】 以下のページで、ALBにプライベートサブネット内のEC2インスタンスをアタッチする方法をご紹介しました。 https://awstut.com/2021/11...

ポイントはCloudFrontのHostedZoneIdです。
以下のページによりますと、CloudFrontのHostedZoneIdは「Z2FDTNDATAQYW2」とありますので、これを設定します。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/general/latest/gr/cf_region.html

ACM

Resources:
  Certificate:
    Type: AWS::CertificateManager::Certificate
    Properties:
      DomainName: !Ref DomainName
      DomainValidationOptions:
        - DomainName: !Ref DomainName
          HostedZoneId: !Ref HostedZoneId
      ValidationMethod: DNS
Code language: YAML (yaml)

ACMを使用して、独自ドメイン用の証明書を作成します。

詳細につきましては、以下のページをご確認ください。

あわせて読みたい
ACM証明書で、独自ドメイン通信をSSL化する 【ACM証明書を使用して、HTTPSで独自ドメインにアクセスする構成】 以下のページで、Route 53で取得した独自ドメインを使って、ALBにアクセスする構成をご紹介しました...

ポイントはACMを作成するリージョンです。

Amazon CloudFront で ACM 証明書を使用するには、米国東部 (バージニア北部) リージョン の証明書をリクエスト (またはインポート) していることを確認します。CloudFront ディストリビューションに関連づけられたこのリージョンの ACM 証明書は、このディストリビューションに設定されたすべての地域に分配されます。

サポートされるリージョン

上記に従い、us-east-1リージョンでACMを作成します。

ACMのIDをSSM Parameter Storeに保存します。

Resources:
  CustomResource:
    Type: Custom::CustomResource
    Properties:
      ServiceToken: !GetAtt Function.Arn

  Function:
    Type: AWS::Lambda::Function
    Properties:
      Code:
        ZipFile: |
          import boto3
          import cfnresponse
          import os

          certificate = os.environ['CERTIFICATE']
          parameter_name = os.environ['PARAMETER_NAME']
          region = os.environ['REGION']

          ssm_client = boto3.client('ssm', region_name=region)

          CREATE = 'Create'
          DELETE = 'Delete'
          response_data = {}

          def lambda_handler(event, context):
            try:
              if event['RequestType'] == CREATE:
                response = ssm_client.put_parameter(
                  Name=parameter_name,
                  Value=certificate,
                  Type='String'
                )
                print(response)

              elif event['RequestType'] == DELETE:
                response = ssm_client.delete_parameter(
                  Name=parameter_name
                )
                print(response)

              cfnresponse.send(event, context, cfnresponse.SUCCESS, response_data)

            except Exception as e:
              print(e)
              cfnresponse.send(event, context, cfnresponse.FAILED, response_data)
      Environment:
        Variables:
          CERTIFICATE: !Ref Certificate
          PARAMETER_NAME: !Ref ACMParameterStoreName
          REGION: !Ref AppRegion
      FunctionName: !Sub "${Prefix}-function"
      Handler: !Ref Handler
      Runtime: !Ref Runtime
      Role: !GetAtt FunctionRole.Arn
Code language: YAML (yaml)

CloudFormationカスタムリソースを使用します。
カスタムリソースに紐付くLambda関数を実行することで、パラメータを保存します。

CloudFormationカスタムリソースに関する詳細は、以下のページをご確認ください。

あわせて読みたい
CloudFormationカスタムリソース入門 【CloudFormationカスタムリソースの挙動を確認する構成】 CloudFormationの機能の1つにカスタムリソースがあります。 カスタムリソースを使用すると、テンプレートにカ...

今回の構成はap-northeast-1リージョンに構築します。
ですからus-east-1リージョン上のACMのIDが参照できるように、ap-northeast-1リージョンのSSM Parameter Storeに登録します。

CloudFront

Resources:
  Distribution:
    Type: AWS::CloudFront::Distribution
    Properties:
      DistributionConfig:
        Aliases:
          - !Ref DomainName
        DefaultCacheBehavior:
          AllowedMethods:
            - GET
            - HEAD
          CachedMethods:
            - GET
            - HEAD
          Compress: true
          ForwardedValues:
            Cookies:
              Forward: none
            QueryString: false
          TargetOriginId: !Ref BucketName
          ViewerProtocolPolicy: redirect-to-https
        DefaultRootObject: index.html
        Enabled: true
        Origins:
          - DomainName: !Ref BucketRegionalDomainName
            Id: !Ref BucketName
            OriginAccessControlId: !GetAtt OAC.Id
            S3OriginConfig:
              OriginAccessIdentity: ""
        PriceClass: PriceClass_All
        ViewerCertificate:
          SslSupportMethod: sni-only
          AcmCertificateArn: !Sub "{{resolve:ssm:${ACMParameterStoreName}}}"
Code language: YAML (yaml)

CloudFrontディストリビューションにACMを適用する上でのポイントは2つです。

1点目はAliasesプロパティです。
こちらに使用するドメイン名を登録します。

2点目はViewerCertificateプロパティです。
こちらにACMのIDを指定します。
先述のParameter Storeの値を参照して、本プロパティに設定します。

環境構築

CloudFormationを使用して、本環境を構築し、実際の挙動を確認します。

CloudFormationスタックを作成し、スタック内のリソースを確認する

CloudFormationスタックを作成します。
スタックの作成および各スタックの確認方法については、以下のページをご確認ください。

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CloudFormationのネストされたスタックで環境を構築する 【CloudFormationのネストされたスタックで環境を構築する方法】 CloudFormationにおけるネストされたスタックを検証します。 CloudFormationでは、スタックをネストす...

各スタックのリソースを確認した結果、今回作成された主要リソースの情報は以下の通りです。

  • CloudFrontディストリビューション:E1HDHS15XEQA22
  • CloudFrontディストリビューションのドメイン:d1u8d8wqcfy55l.cloudfront.net

AWS Management Consoleからも、リソースの作成状況を確認します。

ACMを確認します。

Detail of ACM 1.

確かに「awstut.net」用のACM証明書が作成されています。

CloudFrontの作成状況を確認します。

Detail of CloudFront 1.

正常にCloudFrontディストリビューションが作成されています。
先述のACM証明書がディストリビューションが関連づけられていることもわかります。

ディストリビューションのオリジンを確認します。

Detail of CloudFront 2.

確かにS3バケットが関連づけられています。
S3バケットへのアクセスは、OACを使用するように設定されていることもわかります。

Route53を確認します。

Detail of Route53 1.

確かにCloudFront用のAレコードが作成されています。

動作確認

準備が整いましたので、独自ドメインにアクセスします。

$ curl https://awstut.net/
<html>
  <head></head>
  <body>
    <h1>index.html</h1>
    <p>awstut.net</p>
  </body>
</html>
Code language: HTML, XML (xml)

正常に応答がありました。
独自ドメイン、かつHTTPSで通信することができました。

まとめ

CloudFront + S3構成をRoute53に登録し、独自ドメインでアクセスできるようになりました。

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