Udemyレビュー:【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
AWSソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)用のUdemyをご紹介します。
実際に以下のコンテンツを購入し、受講した結果をレビューします。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
結論を先に書きますと、この講座は最後の総仕上げ用です。
プラクティショナー程度の知識を持っている方を前提としており、この講座だけでSAA合格を目指そうという方にはマッチしないでしょう。
この講座問題は、本番試験を精巧に再現してます。
この講座問題で練習を積めば、余裕を持って本番に臨むことができます。
本講座の問題は、本番よりも難易度が少々高めに設定されています。
ですからこの講座の試験を繰り返し受験することによって、余裕を持って本番に臨むことができます。
またこの講座の解説は非常に丁寧です。
解説をしっかりと読み込むことで、プラクティショナーのその先の、SAA合格に必要な知識を獲得することができます。
自己紹介
私は2020年にSAAを受験し、合格しました。
またSAAの上位資格であるSAPやDOP等も取得しております。
ですからSAA用Udemyの妥当性について、しっかりと判断できると考えております。
講座の基本情報
今回レビューするUdemyは以下の講座です。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
問題集系の講座です。
動画コンテンツは存在しません。
受講者の評価
講座の内容に入る前に、本講座を受講したユーザの評価を見てみましょう。
今回はユーザのコメント(過去1年分(250件))に注目します。
コメントの内容をネガポジ判定します。
一文の各語をネガポジ評価し、ネガティブの場合は-1、ポジティブの場合は1としてカウントします。
この合計値を単語数で割った値で判定します。
ネガポジ判定結果を円グラフにしました。
語のネガポジ評価は東北大学の乾・岡崎研究室の「日本語評価極性辞書」の用言編と名詞編(1)を使用しました。
http://www.cl.ecei.tohoku.ac.jp/Open_Resources-Japanese_Sentiment_Polarity_Dictionary.html
判定値を以下の通りに分類して、円グラフを作成しています。
- -1 <= x < -0.5:ネガティブ
- -0.5 <= x < 0:少しネガティブ
- 0 <= x < 0.5:少しポジティブ
- 0.5 <= x < 1:ポジティブ
70.9%のコメントがポジティブ/少しポジティブという結果になりました。
本講座の大半の受講者は内容に満足していることが読み取れます。
続いてコメントからワードクラウドを作成しました。
語の色でネガポジを示しています。
赤がポジティブ、青がネガティブ、灰色はニュートラルな語です。
まずポジティブな語を見ます。
「合格」や「ありがとう」、「おかげ」が大きいです。
本講座を受講して、しっかり合格できた方から多くのコメントが寄せられています。
次にネガティブな語を見ます。
「難しい」が特徴的ですね。
確かに本講座の問題が難しすぎるというコメントが散見されました。
続いて「誤字」や「間違う」という語が目につきます。
これは問題文や解説文に誤字脱字があったことに対する指摘でした。
本講座を受講した方の評価をまとめます。
本講座を受講した方の約7割が、内容に満足しています。
コメントを見ると、本講座の特徴として、「難しい」ことが読み取れます。
ですからこの講座は、確かに難易度は高いのですが、しっかり学習することによって、SAAに合格できる水準に到達できると期待できます。
講座のポイント
以下に本講座を受講するメリットを3点ご紹介します。
- 本番を忠実に再現した試験構成
- 適切な難易度
- 丁寧な解説
メリット① 本番を忠実に再現した試験構成
1つ目のメリットは試験の構成です。
本番の試験を忠実に再現しており、正確に受験のイメージを持つことができ、時間配分等の作戦を立てることができます。
本番と本講座の試験を比較します。
項目 | 本番の試験 | 講座試験 |
① 問題数 | 65問 | 65問(6回分390問) |
② 試験時間 | 130分 | 130分 |
③ 合格ライン | 72% | 72% |
④ 回答タイプ | 択一問題, 複数選択問題 | 択一問題, 複数選択問題 |
以上の4つの項目で、両者を比較します。
試験構成① 問題数
講座は6つの試験で構成されています。
2つは「基本レベル」、4つは「本番レベル」の設問で構成されています。
1つの試験に65問が収録されています。
本番も65問ですから、本番と問題数が一致しています。
試験構成②③ 試験時間および合格ライン
本番も130分で72%が合格ラインですから、制限時間と合格ラインも一致しています。
問題数・制限時間・合格ラインが本番と同様ですから、このUdemyの試験を繰り返し取り組むことで、問題を解くペースを体得することができます。
なお試験は一時的に中断することができます。
本機能を使用することで、最初からやり直すことなく、中断したところから学習を再開することができます。
スキマ時間で学習している方も、安心して取り組めるように配慮されてますね。
試験構成④ 問題形式
SAAの試験問題は2種類あります。
択一選択問題と、複数選択問題です。
これはAWSが提供しているサンプル問題およびSkill Builderから確認することができます。
講座問題では、両形式に対応しています。
以下に講座問題の一部を引用します。
両形式の比率を円グラフにしました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
公式問題では9割が択一選択問題に対して、講座問題は8割程度です。
講座問題は複数選択問題が多すぎるように見えますね。
しかしこの比率は本番のSAAの試験に近似しています。
私が受験した際も、約2割が複数選択問題でした。
このように、この講座の試験に取り組むことによって、SAA試験をリアルに体験することができます。
この講座のおかげで、本番で多めに複数選択問題が出題されたとしても、慌てずに対応することができますね。
試験構成まとめ
4つの項目(問題数、試験時間、合格ライン、回答タイプ)に沿って、この講座の試験形式をチェックしました。
講座の試験形式を総括すると、この講座問題は、本番試験を非常に高いレベルで再現していることがわかりました。
この講座問題で練習を積めば、余裕を持って本番に臨むことができるでしょう。
メリット② 適切な難易度
2つ目のメリットは難易度が適切に調整されている点です。
SAAの対策講座ですから、簡単すぎても難しすぎても用が足りません。
難易度は講座の良し悪しを決める重要な要素です。
AWS公式問題
講座の難易度を確認する前に、AWS公式問題を確認します。
AWSが公開しているSAAのサンプル問題を確認します。
EC2インスタンスのネットワーキングに関する問題です。
インスタンスをプライベートサブネットに配置し、インターネットへのアウトバウンド通信を許可しなければならないというシチュエーションです。
実際の業務においても、こういった要件は頻出です。
このようにSAAでは、問題文がより具体的になり、実践的なシチュエーションが与えられます。
そして複数のAWSサービスに対する理解を組み合わせなければ解けない設問が増えてきます。
この問題ですと、VPC内のネットワーキングに関して、2つのことを理解していなければ解くことができません。
1つ目はNATゲートウェイを配置先です。
NATゲートウェイはプロキシサーバのように動作するため、EIPをアタッチし、パブリックサブネットに配置する必要があります。
2つ目はEC2インスタンスを配置したプライベートサブネット用のルートテーブルです。
NATゲートウェイを経由してインターネットにアクセスするためには、同ゲートウェイ向けのルートを設定する必要があります。
クラウドプラクティショナーでは、単一のAWSサービスへの基本的な理解を問う問題が中心でした。
SAAでは、そういった各サービスへの理解はあくまで大前提であり、それらを組み合わせて解いていく問題が多いです。
問題文と選択肢の長さも注目です。
クラウドプラクティショナーは単語レベルの知識を問う問題が大半だったため、問題文・選択肢が短いものが中心でした。
一方SAAは問題レベルの向上に伴い、問題文や選択肢が長く、題意を正確に読み解く力も必要となります。
以上をまとめますと、SAAの試験対策としては、クラウドプラクティショナーよりも一歩踏み込んだ準備が必要だと言えます。
講座問題の難易度
以下の4つの視点から、難易度を確認します。
- 問題文の長さ
- 選択肢の長さ
- 頻出のAWSサービス
- 問われる知識の細かさ
① 問題文の長さ
問題文の長さは問題の難易度を左右します。
一般に、問題文が長ければ長いほど問題は難しくなる傾向があります。
問題文の長さがわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
マネージドなコンテナ実行環境を問う問題ですね。
問題文の長さは221文字です。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題の長さのヒストグラムを作成しました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 390 |
平均 | 210.233333 | 159.523077 |
標準偏差 | 66.487066 | 51.985595 |
最小値 | 49.000000 | 28.000000 |
第一四分位数 | 167.500000 | 124.000000 |
中央値 | 216.000000 | 157.000000 |
第三四分位数 | 258.750000 | 194.000000 |
最大値 | 343.000000 | 376.000000 |
AWS公式問題が210文字を中心に分布していることがわかります。
対してUdemy問題は150字程度が中心に分布しています。
このことは統計量からも判断できます。
両者の平均値や中央値が約210、150字です。
つまり先ほどの引用した問題は、Udemy問題の中では長い方ですが、公式問題の中では、平均的な長さだということです。
以上から、この講座問題は、公式問題よりも約25%短いと言えます。
文字数の長さの比較から1つの知見が得られます。
それは文章を読むスピードです。
このUdemyで対策して本番に臨んだ場合、対面する問題文は25%程度長いことになります。
普段の読むスピードで解く場合、制限時間的に余裕がなくなってしまう可能性があります。
ですからUdemy問題の問題文を読む際は、スピードを意識するようにしましょう。
② 選択肢の長さ
選択肢の文章の長さは問題の難易度を左右します。
一般に、選択肢の文章が長ければ長いほど問題は難しくなる傾向があります。
選択肢の長さがわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
EIPとパブリックIPアドレスに関する理解を問う問題です。
選択肢の長さの平均は56文字です。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題の選択肢の長さに関するヒストグラムを作成しました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 390 |
平均 | 65.080000 | 45.217350 |
標準偏差 | 39.040014 | 29.387021 |
最小値 | 10.750000 | 4.000000 |
第一四分位数 | 41.875000 | 24.750000 |
中央値 | 55.125000 | 37.875000 |
第三四分位数 | 92.500000 | 58.000000 |
最大値 | 153.250000 | 171.500000 |
両者のグラフの中心を見ると、AWS公式問題の方が選択肢が長いことがわかります。
統計量においても、平均値や中央値は講座問題の方が小さく、全体的に講座問題の方が選択肢が短いことが読み取れます。
また標準偏差の値も講座問題の方が小さいですし、四分位範囲も講座問題の方が狭いことから、講座問題の方が選択肢の長さのバラツキは小さいと言えるでしょう。
このように、この講座問題は、公式問題と比べると、平均して30%ほど選択肢が短いです。
ですから選択肢を読む場合も、スピードを意識して取り組むようにしましょう。
③ 頻出のAWSサービス
問われるAWSサービスによっても難易度が変わります。
業務で触れる機会が少ないサービスについて問われる場合、問題は難しく感じるでしょう。
問われるAWSサービスがわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
S3およびGlacierにおけるクラスを問う問題です。
両サービスについては知っていても、各クラスまでとなると、詳細には知らないこともあるかと思います。
このようにSAAにおいては、さまざまなAWSサービスが出題範囲です。
また各サービスにおいても、深い理解が問われる設問が出題されます。
講座問題の、問題文および選択肢に登場したAWSサービス名で、ワードクラウドを作成しました。
EC2、S3、DynamoDB、Lambda、RDSが目立ちますね。
いずれもAWSの中心的なサービスであり、業務でも頻繁に扱いますよね。
つまり業務で扱うようなサービスに関しては、SAAでも頻出ということです。
よってこれらのサービスについては集中的に学習を進める必要がありますね。
比較的大きなサイズで表記されているサービスの中に、KinesisやRedshift、SQSがあります。
これらのサービスは要件によっては扱う機会が限られるため、SAA対策として理解を深める必要がありそうですね。
以上をまとめますと、ワードクラウドで大きく描画されているサービスは、SAAで頻出のサービスです。
これらに関しては、一般的な知識に加えて、サンプルで提示したように、一層詳しく仕様を理解する必要があります。
④ 問われる知識の細かさ
問題に解答するために必要な知識の細かさも、問題の難しさを決める重要な要素です。
一般論として、求められる知識が細かければ細かいほど、問題は難しくなります。
知識の細かさを定量的に評価するために、Google検索結果のヒット数を参考にします。
正答に必要な情報を検索し、そのヒット数が多ければ、それはありふれた情報ということであり、つまり簡単な問題だと考えます。
逆にヒット数が少なければ、それは細かな情報ということであり、つまり難しい問題だと考えます。
なお今回取り上げるヒット数ですが、いくつか注意事項があります。
まずヒット数は不定であるという点です。
同じキーワードで検索したとしても、いつも同じ値が表示されるとは限りません。
次にキーワードの選び方も注意が必要です。
例えば解答するためにApplication Load Balancerに関する基本的な知識が必要な場合、「aws application load balancer site:aws.amazon.com」と検索することで、目的の情報にたどり着けます。
一方で「aws alb site:aws.amazon.com」といった略語を使っても、同様の結果が得られます。
しかし両者のヒット数には差があり、本記事作成の時点では、前者が7,010件であり、後者が3,250件でした。
このように目的の情報にたどり着くためのキーワードが複数存在する場合は、ヒット数が1番多かったものを採用したいと思います。
なお検索キーワードの「site:aws.amazon.com」は、site演算子を使って、AWS公式サイト内に限定して検索するという意味です。
以上の通り、ヒット数を用いて問題の難しさを語ることは注意が必要です。
あくまでも参考程度にご覧ください。
正答するために必要な知識のヒット数がわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
SQSにおいてメッセージの重複した処理を防止する方法を問う問題です。
正解は可視性タイムアウトを設定します。
この例ですと、「aws sqs visibility timeout site:aws.amazon.com」でGoogle検索した場合、ヒット数が13,200件でした。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題のヒット数のヒストグラムを作成しました。
講座問題は、6つの試験から5つずつランダムに問題を抽出し、合計30問を対象としました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両グラフ共に、x軸が対数表記であることにご注意ください。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 30 |
平均 | 30863.833333 | 25773.266667 |
標準偏差 | 33056.866773 | 32911.628091 |
最小値 | 455.000000 | 628.000000 |
第一四分位数 | 5992.500000 | 6412.500000 |
中央値 | 20500.000000 | 9940.000000 |
第三四分位数 | 47225.000000 | 36100.000000 |
最大値 | 140000.000000 | 133000.000000 |
両グラフと統計量を比較すると、講座問題の方がヒット数が小さい傾向があることがわかります。
グラフを見ると、確かに公式問題よりも講座問題の方が、山の位置が左寄りです。
また統計量の平均値や中央値を見ても、どちらも講座問題の方が小さいです。
先ほどの例のヒット数は1.3万件でしたから、講座問題の中では中央値に近いものとなります。
一方、公式問題の中では、少々細かい寄りの問題と言えるでしょうか。
本番の試験では、この例程度の問題か、よりポピュラーな知識が問われる場合が多いでしょう。
以上をまとめますと、公式問題と比べて、この講座問題の問題は求められる知識が細かい傾向があります。
ですからこの講座問題のレベルで知識を獲得しておけば、本番の試験では理解不足で悩むケースは防げるでしょう。
難易度まとめ
4つの項目(問題文、選択肢、頻出サービス、知識の細かさ)に沿って、講座問題の難しさをチェックしました。
講座問題の難しさを総括すると、この講座問題は、本番試験とほぼ同等の難易度、あるいは多少難し目であると言えるでしょう。
具体的には、問題文および選択肢は本番よりも少々短めであり、その点は簡単だと言えるでしょう。
一方、頻出サービスや知識の細かさの程度を見ると、普段触れないサービスやオプションについてまで正確な理解が問われます。
この講座問題の難易度に慣れておくことによって、本番では余裕を持って、問題を解くことができるでしょう。
メリット③ 丁寧な解説
3つ目のメリットは、この講座の解説は非常に丁寧であり、学習者の理解を強力にサポートしてくれるという点です。
SAAはAWS初心者〜中級者向けの試験ですから、解説が十分でなければ、学習の継続は困難です。
解説の充実度は、講座の良し悪しを決める重要な要素です。
細かく解説の丁寧さをチェックする前に、具体例を1つ見てみましょう。
以下に講座問題の解説を1つ引用します。
一見して、詳しく解説されていることがわかります。
まず設問の中心となるサービスに関する基本的な解説があります。
今回ですと、Storage Gatewayに関する概要やタイプについて、図や表を用いて整理されています。
次に正解の理由を、根拠を明示して説明してくれます。
最後に不正解の選択肢についても解説があります。
各選択肢において、根拠を挙げた上で、不正解の理由を説明してくれます。
多くの解説には、学習者の理解を助けるために、オリジナルの画像と、参考リンクが用意されています。
解説の丁寧さとして評価する項目
以下の3つの視点から、解説文の丁寧さを確認します。
- 解説のわかりやすさ
- 解説の長さ
- 解説で使用される画像の枚数
- 参照元のリンク
① 解説のわかりやすさ
解説が丁寧かどうかを判断する上で、そのわかりやすさが重要です。
特にSAAのような初心者〜中級者向けの試験の場合、経験の浅い方にも伝わるような表現でなければ、学習を継続することは困難となります。
かつ初学者が躓きやすいポイントをうまくカバーするような構成であると、ホスピタリティが高い解説だと言えるでしょう。
解説のわかりやすさを示す一例として、CloudFormationに関する問題の解説を引用します。
ポイントは次の2点です。
1点目はサービスの用途を図を用いて説明している点です。
例えばEC2やS3に比べると、CloudFormationは抽象的なサービスです。
言葉での説明に加えて、テンプレートファイルの具体例、そして生成されたスタックのイメージ図が添えられています。
これらの画像はCloudFormationを使用したことがない学習者の理解を大いに助けるものです。
2点目はテンプレートファイルの解説です。
テンプレートファイルには記入ルールがありますが、こちらを画像を用いて簡潔に解説しています。
特に重要な点は、SAAに合格する上で、特に重要な情報について色で強調してあることです。
例えば、生成するリソースを記載する箇所はResourceセクションであること、生成したリソースに関する情報の出力方法はOutputsセクションで設定可能であること、!Ref等の組み込み関数の存在についてです。
1枚の画像にCloudFormationに関する重要な情報をまとめることによって、学習者に負担をかけず、理解が促進されます。
このように、この講座はSAA合格に必要な情報が、多くの場合、画像を用いて整理されています。
解説を読み込むことによって、合格レベルに到達することができるでしょう。
② 解説の長さ
解説が丁寧かどうかを判断する上で、解説文の長さは一つの指標になります。
一般に、解説は短いよりも長い方が丁寧ではありますが、長すぎるものは学習者の負担となります。
解説文の文字数に関するヒストグラムを作成しました。
基本統計量も載せます。
統計量 | Udemy講座問題 |
度数 | 390 |
平均 | 728.838462 |
標準偏差 | 248.042334 |
最小値 | 193.000000 |
第一四分位数 | 561.250000 |
中央値 | 691.500000 |
第三四分位数 | 871.750000 |
最大値 | 1894.000000 |
グラフを見ると、700字前後の解説が多いです。
600〜800字の解説が全体の68.2%でした。
一方1000字以上の解説は少数ですね。
全体の12.3%だけでした。
このことは統計量からも判断できます。
平均と中央値が概ね同じです。
つまり700字程度の解説が大半を占めていると言えます。
このように、作者は解説の長さを意図して700字程度に調節していることが読み取れます。
人間の文字を読むスピードは600文字/分と言われています。
ですから1つの問題の解説を、1分と少しで読めるように配慮していると言えるでしょう。
しっかりした解説があることは学習を大いに助けます。
しかし冗長すぎる説明は、返って学習者の理解を妨げる恐れもあります。
この講座の解説は、学習者の理解を促す程度のボリュームを確保しつつも、学習者にストレスを与えないような長さだと言えますね。
③ 解説で使用される画像の枚数
物事を説明する上で、画像は非常に重要な要素です。
一般に、文字だけの解説よりも、画像を交えた解説の方が、学習者の理解は高まります。
画像数に関する円グラフを作成しました。
約7割の解説に1枚以上の画像が用意されています。
画像があれば良い解説というわけでは決してありません。
しかし文字だけでは伝わりにくい内容に対しては、画像を使って補足することによって、初学者の理解をサポートしようとする姿勢を感じます。
このように、大半の解説には、画像が用意されています。
解説に、文字だけでなく画像を用いることによって、学習者の理解が促進されることでしょう。
④ 参照元のリンク
実業務でAWSを扱う場合、AWS公式サイトのドキュメントは頻繁にアクセスします。
サービスの仕様を確認する際に、1次資料である公式ドキュメントが最も信頼性が高いからです。
そういった意味でも、不明点はドキュメントを参照する習慣を身につけることは、実業務でも大いに役立ちます。
参考リンク数に関する円グラフを作成しました。
9割以上の解説で、正解・不正解の根拠となるドキュメントへのリンクが用意されていました。
学習者が解説に不明点がある場合は、しっかりと参照元を確認できるように配慮されていますね。
解説まとめ
4つの項目(わかりやすさ、長さ、画像数、参照リンク数)に沿って、解説の丁寧さチェックしました。
解説の丁寧さを総括すると、この講座の解説は、非常に丁寧であると言えるでしょう。
解説を読み込んで理解を深めていけば、SAAを突破できる力を養うことができます。
(参考)学習する上でのコツ
最後に、筆者がAWSを学習する上で、気をつけていることをご紹介します。
問題を解く上で、解説をしっかり読むことをオススメします。
問題を解いていると、ついつい目先の正解/不正解に囚われがちですが、実はそれほど重要ではありません。
特にSAAのように、初心者〜中級者を対象とした試験であれば尚更です。
正解/不正解だった事実よりも、なぜ正解/不正解なのかの理由の方が重要です。
自分が問題を解いたプロセスが、解説の内容と合致しているかを確認するようにしましょう。
レビューまとめ
SAA用のUdemyコンテンツとして、以下のコンテンツを取り上げました。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
この講座を、試験構成、難しさ、解説の丁寧さという3つの観点からチェックしました。
いずれもSAAに合格する上で、必要な全ての要素を兼ね備えていると言えるでしょう。
SAA合格に強いモチベーションを抱いている方は、ぜひ購入を検討されてはいかがでしょうか。