はじめに
Udemyではクラウドプラクティショナー用の講座が多数あります。
本ページでは、以下のコースをご紹介します。
最初に結論
結論を先に書きますと、この講座をしっかりと取り組めば、十分に合格ラインに到達できます。
この講座問題は、本番試験を非常に高いレベルで再現してます。
この講座問題で練習を積めば、余裕を持って本番に臨むことができます。
この講座の問題は本番と同程度、あるいはそれを少し上回る難易度です。
ですから繰り返しこの講座を学習することで、ストレスなく本番の試験を解くことができるでしょう。
またこの講座の解説は非常に丁寧です。
解説をしっかりと読み込むことで、クラウドプラクティショナー合格に必要な知識を獲得することができます。
自己紹介
私は2019年にクラウドプラクティショナーを受験し、合格しました。
またクラウドプラクティショナーの最上位資格であるソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)や、DevOpsエンジニアプロフェッショナル(DOP)等も取得しております。
講座の基本情報
今回ご紹介するUdemyは以下の講座です。
【2023年版】この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(6回分390問)問題集系の講座です。
動画コンテンツは存在しません。
受講者の評価
講座の内容に入る前に、本講座を受講したユーザの評価を見てみましょう。
今回はユーザのコメント(過去1年分(252件))に注目します。
コメントの内容をネガポジ判定します。
一文の各語をネガポジ評価し、ネガティブの場合は-1、ポジティブの場合は1としてカウントします。
この合計値を単語数で割った値で判定します。
ネガポジ判定結果を円グラフにしました。
語のネガポジ評価は東北大学の乾・岡崎研究室の「日本語評価極性辞書」の用言編と名詞編(1)を使用しました。
判定値を以下の通りに分類して、円グラフを作成しています。
- -1 <= x < -0.5:ネガティブ
- -0.5 <= x < 0:少しネガティブ
- 0 <= x < 0.5:少しポジティブ
- 0.5 <= x < 1:ポジティブ
78.6%のコメントがポジティブ/少しポジティブという結果になりました。
本講座の受講者は大半は内容に満足していることが読み取れます。
続いてコメントからワードクラウドを作成しました。
語の色でネガポジを示しています。
赤がポジティブ、青がネガティブ、灰色はニュートラルな語です。
まずポジティブな語を見ます。
「合格」や「ありがとう」が大きいです。
本講座を受講して、しっかり合格できた方からのコメントが多く寄せられていることがわかります。
また「丁寧」もキーワードです。
ニュートラルな語である「解説」と合わせて、本講座を特徴付けています。
次にネガティブな語を見ます。
「難しい」が特徴的ですね。
本講座の問題が難しすぎるというコメントが散見されました。
どの程度難しいのかについては、後ほど解説したいと思います。
本講座を受講した方の評価をまとめます。
本講座を受講した方の約8割が、内容に満足しています。
コメントを見ると、本講座の特徴が「丁寧な解説」と「難しい」であることが読み取れます。
ですからこの講座を受講し、しっかりと学習することによって、クラウドプラクティショナーに合格できるレベルに到達できると期待できます。
講座のポイント
以下に本講座を受講するメリットを3点ご紹介します。
- 本番を忠実に再現した試験構成
- 適切な難易度
- 丁寧な解説
メリット① 本番を忠実に再現した試験構成
1つ目のメリットは試験の構成です。
本番の試験を忠実に再現しており、正確に受験のイメージを持つことができ、時間配分等の作戦を立てることができます。
本番と本講座の試験を比較します。
項目 | 本番の試験 | 講座試験 |
① 問題数 | 65問 | 65問(6回分390問) |
② 試験時間 | 90分 | 90分 |
③ 合格ライン | 70% | 70% |
④ 回答タイプ | 択一問題, 複数選択問題 | 択一問題, 複数選択問題 |
以上の4つの項目で、両者を比較します。
試験構成① 問題数
講座は6つの試験で構成されています。
2つは「基本レベル」、4つは「本番レベル」の設問で構成されています。
1つの試験に65問が収録されています。
本番も65問ですから、本番と問題数が一致しています。
試験構成②③ 試験時間および合格ライン
本番も90分で70%が合格ラインですから、制限時間と合格ラインも一致しています。
問題数・制限時間・合格ラインが本番と同様ですから、このUdemyの試験を繰り返し取り組むことで、問題を解くペースを体得することができます。
なお試験は一時的に中断することができます。
本機能を使用することで、最初からやり直すことなく、中断したところから学習を再開することができます。
スキマ時間で学習している方も、安心して取り組めるように配慮されてますね。
試験構成④ 問題形式
クラウドプラクティショナーの試験問題は2種類あります。
択一選択問題と、複数選択問題です。
これはAWSが提供しているサンプル問題およびSkill Builderから確認することができます。
講座問題では、両形式に対応しています。
以下に講座問題の一部を引用します。
両形式の比率を円グラフにしました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
公式問題では95%が択一選択問題に対して、講座問題は8割程度です。
講座問題は複数選択問題が多すぎるように見えますね。
しかしこの比率は本番のクラウドプラクティショナーの試験に近似しています。
私が受験した際も、約2割が複数選択問題でした。
このように、この講座の試験に取り組むことによって、クラウドプラクティショナー試験をリアルに体験することができます。
この講座のおかげで、本番で多めに複数選択問題が出題されたとしても、慌てずに対応することができますね。
試験構成まとめ
4つの項目(問題数、試験時間、合格ライン、回答タイプ)に沿って、この講座の試験形式をチェックしました。
講座の試験形式を総括すると、この講座問題は、本番試験を非常に高いレベルで再現していることがわかりました。
この講座問題で練習を積めば、余裕を持って本番に臨むことができるでしょう。
メリット② 適切な難易度
2つ目のメリットは難易度が適切に調整されている点です。
クラウドプラクティショナーの対策講座ですから、簡単すぎても難しすぎても用が足りません。
難易度は講座の良し悪しを決める重要な要素です。
AWS公式問題
講座の難易度を確認する前に、AWS公式問題を確認します。
AWSが公開しているクラウドプラクティショナーのサンプル問題を確認します。
1つ目の問題はEC2に限定されていますが、クラウドサービスの基本的な考え方を問う問題です。
クラウドサービスではコンピューティングリソースのスケールアウト/スケールインを容易に実施できます。
またAWSの多くのサービスは従量課金制で、使った分のリソース代を支払うシステムです。
2つ目の問題はサービス名を問う問題です。
各サービスの名前を覚えて、それぞれどんな時に使用するためのサービスなのかを知っていれば解ける内容です。
このことから、クラウドプラクティショナーの試験では、ごく基本的な知識が問われるということが分かります。
問題文は概ね1文ですし、文字数はそれぞれ64文字・49文字と、比較的短いです。
また選択肢も単語レベルのものも多く、クラウドプラクティショナーはAWS未経験の方もチャレンジしやすい試験です。
講座問題の難易度
以下の4つの視点から、難易度を確認します。
- 問題文の長さ
- 選択肢の長さ(単語数)
- 頻出のAWSサービス
- 問われる知識の細かさ
① 問題文の長さ
問題文の長さは問題の難易度を左右します。
一般に、問題文が長ければ長いほど問題は難しくなる傾向があります。
問題文の長さがわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
複数のリソースに対して、タグを操作する方法を問うシンプルな問題です。
問題文の長さは49文字で、1文ですね。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題の長さのヒストグラムを作成しました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 390 |
平均 | 63.100000 | 68.151282 |
標準偏差 | 28.324901 | 26.290061 |
最小値 | 22.000000 | 27.000000 |
第一四分位数 | 46.250000 | 49.000000 |
中央値 | 56.000000 | 65.000000 |
第三四分位数 | 79.000000 | 82.000000 |
最大値 | 129.000000 | 257.000000 |
両者のグラフの分布が非常に似ていることがわかります。
問題文が50~80字前後である問題が最も多く、おおよそ100字以内の問題がほとんどです。
やはり先ほどの例のように、1文で簡潔な内容ということですね。
このことは統計量を見ても判断できます。
平均値や標準偏差、四分位範囲の値が近く、両者の大部分が類似した分布であることがわかります。
このように、この講座問題は、公式問題に準拠して、問題文の長さを適切に調節しています。
この講座の試験に取り組むことによって、クラウドプラクティショナー試験と同様の感覚で問題文と向き合うことができます。
問題文の長さが50字前後という情報は、大いに意味のあるものです。
巷では、人間の集中の持続時間は約8秒という俗説があります。
また人間の文字を読むスピードは600文字/分とも言わており、つまり10文字/秒です。
2つを合わせますと、1度に集中して読める文章量は80文字前後ということになります。
試験という平常時とは異なる環境であることを考慮しても、50文字前後の問題文であれば、余裕を持って文意を掴むことができますね。
② 選択肢の長さ(単語数)
選択肢の文章の長さは問題の難易度を左右します。
一般に、選択肢の文章が長ければ長いほど問題は難しくなる傾向があります。
今回は選択肢の文章の単語数に注目します。
問題ごとに各選択肢の単語数を調べ、その平均値を算出します。
選択肢の単語数がわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
EC2インスタンスの購入オプションを問う問題です。
選択肢はいずれもEC2用語だけが挙げられているシンプルなものです。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題の単語数のヒストグラムを作成しました。
グラフを確認する前に、今回の調査における「単語数」の数え方をご説明します。
AWS用語の数え方がポイントです。
2つ以上の単語で構成されるAWS用語の場合、「1」とカウントします。
例えば先ほどの例ですと、「リザーブドインスタンス」や「スケジュールドリザーブドインスタンス」は1単語とします。
つまり先ほど引用した問題の選択肢は、全て1単語ということになります。
この工夫の意図ですが、AWS単語を知っているだけで、どの程度、クラウドプラクティショナーの問題を解くことができるかを明らかにするためです。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 390 |
平均 | 4.960000 | 3.570833 |
標準偏差 | 4.431284 | 3.880338 |
最小値 | 1.000000 | 1.000000 |
第一四分位数 | 2.000000 | 1.000000 |
中央値 | 2.625000 | 1.500000 |
第三四分位数 | 6.837500 | 4.712500 |
最大値 | 19.250000 | 26.500000 |
両者のグラフの分布が類似しています。
約半数の問題が、単語数の平均値が1~3語です。
やはり先ほどの例のように、選択肢が1単語のものが大半ということですね。
統計量からも分布を判断することができます。
平均値と中央値を比べると、後者の方が小さいです。
つまり大多数の問題の選択肢は、平均1~3語であるということです。
このように、この講座問題は、公式問題に合わせて、選択肢の単語数を設定しています。
この講座の試験に取り組むことによって、クラウドプラクティショナー試験の選択肢を、正確にシミュレーションすることができます。
また今回の調査でハッキリしたことがあります。
それはクラウドプラクティショナーは単語レベルを問う問題が大半だということです。
つまり長い文章の選択肢を読み解くような細かい知識は不要です。
単語レベルで収まるような基本的な知識を獲得すれば、クラウドプラクティショナーは合格できます。
③ 頻出のAWSサービス
問われるAWSサービスによっても難易度が変わります。
業務で触れる機会が少ないサービスについて問われる場合、問題は難しくなるでしょう。
問われるAWSサービスがわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
マイクロサービスを組み合わせて、アプリケーションを作成する際に、使用するべきサービスを選択する問題です。
正解はLambdaとAPI Gatewayですが、これらは業務でも頻繁に触れますね。
一方、ダミーの選択肢(Lightsail、SQS、SES)は、LambdaやAPI Gatewayほど頻出ではありませんね。
講座問題の、問題文および選択肢に登場したAWSサービス名で、ワードクラウドを作成しました。
EC2、S3、CloudWatch、RDS、Lambda、VPC、IAM、EBS、CloudTrailが目立ちますね。
いずれもAWSの中心的なサービスであり、業務でも頻繁に扱いますよね。
つまり業務で扱うようなサービスに関しては、クラウドプラクティショナーでも頻出ということです。
よってこれらのサービスについては集中的に学習を進める必要がありますね。
1つのサービス内の単語も描画されている点も注目ですね。
例えばVPCを取り上げますと、これに関係する語として、セキュリティグループ、ネットワークACLが描画されています。
これらはVPC内のトラフィックをフィルタリングするためのサービスですね。
このように頻出のサービスにおいては、サービスの概要を知るだけでは不十分であり、一段深くサービスの仕様を学ぶ必要があります。
一方、小さく描画されている単語が多数あります。
例えばLightsail、DAX、SES等は問題文に登場する中心的な語というわけではありません。
これらの語は選択肢の1つとして登場します。
先ほどの例でも、LightsailやSESがダミーの選択肢として登場しましたよね。
つまり小さい語については、深く学習する必要はなく、サービス名を覚え、どういったサービスなのか概要を知る程度で十分でしょう。
④ 問われる知識の細かさ
問題に解答するために必要な知識の細かさも、問題の難しさを決める重要な要素です。
一般論として、求められる知識が細かければ細かいほど、問題は難しくなります。
知識の細かさを定量的に評価するために、Google検索結果のヒット数を参考にします。
正答に必要な情報を検索し、そのヒット数が多ければ、それはありふれた情報ということであり、つまり簡単な問題だと考えます。
逆にヒット数が少なければ、それは細かな情報ということであり、つまり難しい問題だと考えます。
なお今回取り上げるヒット数ですが、いくつか注意事項があります。
まずヒット数は不定であるという点です。
同じキーワードで検索したとしても、いつも同じ値が表示されるとは限りません。
次にキーワードの選び方も注意が必要です。
例えば解答するためにApplication Load Balancerに関する基本的な知識が必要な場合、「aws application load balancer site:aws.amazon.com」と検索することで、目的の情報にたどり着けます。
一方で「aws alb site:aws.amazon.com」といった略語を使っても、同様の結果が得られます。
しかし両者のヒット数には差があり、本記事作成の時点では、前者が7,010件であり、後者が3,250件でした。
このように目的の情報にたどり着くためのキーワードが複数存在する場合は、ヒット数が1番多かったものを採用したいと思います。
なお検索キーワードの「site:aws.amazon.com」は、site演算子を使って、AWS公式サイト内に限定して検索するという意味です。
以上の通り、ヒット数を用いて問題の難しさを語ることは注意が必要です。
あくまでも参考程度にご覧ください。
正答するために必要な知識のヒット数がわかる一例として、以下に講座問題の一部を引用します。
グラフタイプのデータベースサービスを問う問題ですね。
正解はNeptuneです。
この例ですと、「aws neptune site:aws.amazon.com」でGoogle検索した場合、ヒット数が109,000件でした。
AWS公式問題(サンプル、Skill Builder)と、講座問題のヒット数のヒストグラムを作成しました。
左がAWS公式問題、右が講座問題です。
両グラフ共に、x軸が対数表記であることにご注意ください。
講座問題は、6つの試験から5つずつランダムに問題を抽出し、合計30問を対象としました。
両者の基本統計量も載せます。
統計量 | AWS公式問題 | Udemy講座問題 |
度数 | 30 | 30 |
平均 | 2.121353e+05 | 1.672047e+05 |
標準偏差 | 2.937041e+05 | 2.030842e+05 |
最小値 | 4.270000e+03 | 2.840000e+03 |
第一四分位数 | 2.245000e+04 | 6.695000e+04 |
中央値 | 8.640000e+04 | 1.155000e+05 |
第三四分位数 | 3.265000e+05 | 2.117500e+05 |
最大値 | 1.110000e+06 | 1.110000e+06 |
両グラフを見ると、共に10万件付近が最も多いという点が共通しています。
やはり先ほどの例のように、ヒット数が10万件程度の細かさの問題が多いということですね。
ただし講座問題の方は、この度数に偏っており、他の度数の割合は少ないです。
統計量からも分布を眺めます。
標準偏差を比較すると、講座問題の方が少ないです。
また四分位範囲を比較すると、講座問題の方が狭いです。
このことからも、講座問題の方が、大半が中央値付近であることがわかります。
このように、公式問題と比べて、この講座問題はヒット数のばらつきが少ないといえるでしょう。
つまり講座問題の方が、問われる知識の細かさは安定しているということです。
本番の試験では、講座問題と同等の知識レベルの問題が中心に出題されるでしょう。
ただしより細かな知識を求められることもあるでしょうし、より一般的な知識を問われることもあるでしょう。
難易度まとめ
4つの項目(問題文、選択肢、頻出サービス、知識の細かさ)に沿って、講座問題の難しさをチェックしました。
講座問題の難しさを総括すると、この講座問題は、本番試験とほぼ同等の難易度、あるいは多少難し目であると言えるでしょう。
この講座問題の難易度に慣れておくことによって、本番では余裕を持って、問題を解くことができるでしょう。
メリット③ 丁寧な解説
3つ目のメリットは、この講座の解説は非常に丁寧であり、学習者の理解を強力にサポートしてくれるという点です。
クラウドプラクティショナーはAWS初学者向けの試験ですから、解説が十分でなければ、学習の継続は困難です。
解説の充実度は、講座の良し悪しを決める重要な要素です。
細かく解説の丁寧さをチェックする前に、具体例を1つ見てみましょう。
以下に講座問題の解説を1つ引用します。
解説の構成としては、まずは正解の選択肢について解説があります。
正解の理由を、根拠を明示して説明してくれます。
加えて不正解の選択肢についても解説があります。
各選択肢において、根拠を挙げた上で、不正解の理由を説明してくれます。
多くの解説には、学習者の理解を助けるために、オリジナルの画像と、参考リンクが用意されています。
解説の丁寧さとして評価する項目
以下の3つの視点から、解説文の丁寧さを確認します。
- 解説のわかりやすさ
- 解説の長さ
- 解説で使用される画像の枚数
- 参照元のリンク
① 解説のわかりやすさ
解説が丁寧かどうかを判断する上で、そのわかりやすさが重要です。
特にクラウドプラクティショナーのような初学者向けの試験の場合、未経験の方にも伝わるような表現でなければ、学習を継続することは困難となります。
かつ初学者が躓きやすいポイントをうまくカバーするような構成であると、ホスピタリティが高い解説だと言えるでしょう。
解説のわかりやすさを示す一例として、ElastiCacheに関する問題の解説を引用します。
前半はElastiCacheに関する一般的な説明です。
一般的な用途に関する説明、2タイプ(Redis、Memcached)あることが言及されています。
ここまでは一般的なのですが、ポイントは次の2点です。
1点目は2タイプの比較表です。
両者を横並びに比較して、どこがどう違うのかを端的に表現しています。
一般的に、両者を語る場合、ElastiCache用語であるクラスター・シャード・ノード等の表現が欠かせません。
しかしこの表では、これらの表現はあえて省いている点に注目です。
クラウドプラクティショナーレベルであれば、そこまで深く理解する必要はないという配慮を感じます。
まずはElastiCacheとはどういう用途で使用し、2タイプの違いはどこなのかについて、初学者にわかりやすく解説しています。
2点目はデータベースサービスの分類図です。
AWSにはデータベースに関する様々なサービスがあります。
それぞれ特色のあるサービスですが、クラウドプラクティショナーを学んでいる方が躓きやすいポイントでもあります。
つまりどのサービスをどのような用途で使用するべきなのかがわからないということです。
この図はそういった疑問を解消することに大いに役立ちます。
この講座は、受講者が躓きやすいポイントを把握し、それを先回りして、学習者の理解を助けるような工夫を凝らしています。
このように、この講座は学習者のレベルに合わせて、解説がわかりやすいです。
また学習者に寄り添って、学習者の理解を助けるような配慮がなされています。
② 解説の長さ
解説が丁寧かどうかを判断する上で、解説文の長さは一つの指標になります。
一般に、解説は短いよりも長い方が丁寧ではありますが、長すぎるものは学習者の負担となります。
解説文の文字数に関するヒストグラムを作成しました。
基本統計量も載せます。
統計量 | Udemy講座問題 |
度数 | 390 |
平均 | 634.133333 |
標準偏差 | 219.162047 |
最小値 | 138.000000 |
第一四分位数 | 497.250000 |
中央値 | 606.500000 |
第三四分位数 | 763.750000 |
最大値 | 1412.000000 |
グラフを見ると、600字前後の解説が多いです。
400〜800字の解説が全体の67.2%でした。
一方1000字以上の解説は少数ですね。
全体の4.6%だけでした。
このことは統計量からも判断できます。
平均と中央値が概ね同じです。
つまり600字程度の解説が大半を占めていると言えます。
このように、作者は解説の長さを意図して600字程度に調節していることが読み取れます。
先述の通り、人間の文字を読むスピードは600文字/分と言われています。
ですから1つの問題の解説を、1分前後で読めるように配慮していると言えるでしょう。
しっかりした解説があることは学習を大いに助けます。
しかし冗長すぎる説明は、返って学習者の理解を妨げる恐れもあります。
この講座の解説は、学習者の理解を促す程度のボリュームを確保しつつも、学習者にストレスを与えないような長さだと言えますね。
③ 解説で使用される画像の枚数
物事を説明する上で、画像は非常に重要な要素です。
一般に、文字だけの解説よりも、画像を交えた解説の方が、学習者の理解は高まります。
画像数に関する円グラフを作成しました。
約6割の解説に1枚以上の画像が用意されています。
画像があれば良い解説というわけでは決してありません。
しかし文字だけでは伝わりにくい内容に対しては、画像を使って補足することによって、初学者の理解を助けようとする姿勢を感じます。
このように、大半の解説には、画像が用意されています。
解説に、文字だけでなく画像を用いることによって、学習者の理解が促進されることでしょう。
④ 参照元のリンク
実業務でAWSを扱う場合、AWS公式サイトのドキュメントは頻繁にアクセスします。
サービスの仕様を確認する際に、1次資料である公式ドキュメントが最も信頼性が高いからです。
そういった意味でも、不明点はドキュメントを参照する習慣を身につけることは、実業務でも大いに役立ちます。
参考リンク数に関する円グラフを作成しました。
9割以上の解説で、正解・不正解の根拠となるドキュメントへのリンクが用意されていました。
学習者が解説に不明点がある場合は、しっかりと参照元を確認できるように配慮されていますね。
解説まとめ
4つの項目(わかりやすさ、長さ、画像数、参照リンク数)に沿って、解説の丁寧さチェックしました。
解説の丁寧さを総括すると、この講座の解説は、非常に丁寧であると言えるでしょう。
解説を読み込んで理解を深めていけば、クラウドプラクティショナーを突破できる力を養うことができます。
(参考)学習する上でのコツ
最後に、筆者がAWSを学習する上で、気をつけていることをご紹介します。
問題を解く上で、解説をしっかり読むことをオススメします。
問題を解いていると、ついつい目先の正解/不正解に囚われがちですが、実はそれほど重要ではありません。
特にクラウドプラクティショナーのように、初学者を対象とした試験であれば尚更です。
正解/不正解だった事実よりも、なぜ正解/不正解なのかの理由の方が重要です。
自分が問題を解いたプロセスが、解説の内容と合致しているかを確認するようにしましょう。
レビューまとめ
クラウドプラクティショナー用のUdemyコンテンツとして、以下のコンテンツをご紹介しました。
【2023年版】この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(6回分390問)この講座を、試験構成、難しさ、解説の丁寧さという3つの観点からチェックしました。
いずれもクラウドプラクティショナーに合格する上で、必要な全ての要素を兼ね備えていると言えるでしょう。
クラウドプラクティショナーに興味がある方は、ぜひ購入を検討されてはいかがでしょうか。